今回はやや哲学に関わる話をします。
『
大辞泉増補・新装版』の説明がわかりやすいので、そこから引きますが、
大辞泉増補・新装版二律背反の意味とは、「哲学で、相互に矛盾する二つの命題(定立と半定立)が同等の妥当性をもって主張されること」です。「アンチノミー」という人もいますが、これは「二律背反」と同じ意味です。
昔から言われて来た二律背反の例として、普遍的な因果性に関する自由の問題があります。
すなわち、
・世界には、自由による原因がある。
・いかなる自由もなく、すべてのものは自然(必然)である。
という二律背反です。
どちらもそれなりの説得力をもって主張されてきました。
具体的に例を挙げつついうと、「我々の普段何気ない行為は我々の偶然的な意志によってなされる」といえば自由を認めねばなりませんし、一方「いかなる出来事も先行する原因がある」(あらゆる出来事は時系列に並べられる。例えば、食べるという行為には空腹の発生という原因がある。空腹の発生にはエネルギーの消費という原因がある。エネルギー消費には生命活動の原因があり…)といえば必然性を認めねばなりません。
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